臨床について

臨 床

麻酔科医が関与している臨床業務の中心は、「①手術室における麻酔管理」ですが、この他にも「②ペインクリニック・緩和医療」や「③集中治療」などの関連領域があります。大学麻酔科の中にはこれら3本柱の内、1ないし2つを切り離しているところもありますが、当院においては全てが麻酔科の関与する重要領域であるとの認識の下に運営しております。

手術室における麻酔管理

麻酔管理のキーワードは安全を担保した質の向上であると考えます。ある程度トレーニングを積めば研修医でも最低限の麻酔管理を行えるほど、全身麻酔は進歩しました。深麻酔を行えば見かけ上は安定した状況が得られますが、適切な鎮痛を行わなければストレスホルモンの分泌は亢進し、術後合併症の誘因となります。

術後に疼痛なくすっきりと覚醒させるためには、手術終了時まで必要量のオピオイドを投与することが重要です。全身麻酔薬濃度を低下させて行く過程でオピオイドが不足すると、気管チューブが挿管されている刺激により嚥下反射や体動が生じるからです。この状況で気管チューブを抜去すれば、チューブ抜去に伴い刺激が少なくなり患者が再沈静化し舌根沈下、気道閉塞を来すトラブルにつながります。術後に疼痛や悪心嘔吐なくすっきりと覚醒させることと、麻酔薬濃度が十分に低下するまで体動を生じさせずに覚醒に至る方針を徹底させることが、安全を担保した質の向上であると考えます。当院ではこの方針によって、気管チューブ抜去後に患者が再沈静化し舌根沈下、気道閉塞を来すトラブルを根絶させました。実に、穏やかな覚醒、抜管の様子は是非ご自身の目でご覧になって頂きたい当院麻酔科のポイントの一つです。

ペインクリニック・緩和医療

緩和ケアチームカンファレンス

緩和ケアチームカンファレンス

ペインクリニック、緩和医療は2つ目の柱です。現在、日本緩和医療学会の暫定指導医として緩和ケアチームを率いている自身の経験では、年間約150名の入院患者に対して薬物療法で約9割の患者の疼痛が軽減されています。この数字は、WHOの集計によるがん性痛の患者さんにオピオイドを適切に使用した除痛率である80%よりも高率です。しかし、1割程度の患者には神経ブロックなどの併用が必要になります。高度先進医療を担う大学病院として、必要な神経ブロックを用いながら薬物療法を中心として診療を行っています。

集中治療

集中治療については、芹田准教授が集中治療室室長として運営しています。詳しくは集中治療室紹介を参照して下さい。

集中治療室紹介についてはこちら

歯科麻酔部門

歯科麻酔部門は、口腔外科手術および歯科治療時の全身麻酔、静脈内鎮静法、神経ブロック等を担当しています。

歯科小手術時の静脈内鎮静法

歯科小手術時の静脈内鎮静法

 

全身麻酔

 年間約350症例の全身麻酔を担当しています。市川市の基幹病院として、さらには東京歯科大学付属の総合病院として、全身的な基礎疾患を持つ患者さんの手術を一手に引き受け、多くの診療科、スタッフと連携しながら全身麻酔を行っています。

 

術後管理

 2012年度には、口腔外科の全身麻酔症例の36%がICUまたはHCUに入室しており、気道管理を含めた術後管理も担っています。また、緩和ケアチームや呼吸サポートチームに参加し、術後痛や重症患者の呼吸管理も、積極的に行っています。

 

神経ブロック

 顎・顔面領域の慢性的な痛みやしびれに対して、星状神経節ブロックなどの神経ブロックを行っています。

 

静脈内鎮静法

 静脈内鎮静法は、年間約400症例行っています。歯科恐怖症、嘔吐反射、高血圧や狭心症などの循環器疾患、中途障害(脳血管障害、認知症など)、侵襲が大きく局所麻酔だけでは困難な口腔外科小手術、障害者(知的障害、脳性麻痺、自閉症、てんかん発作など)を対象に、手術室および口腔外科外来で行っています。

 

教育

 現在2名の歯科麻酔科医が2年ずつ研修に来ています。医科麻酔だけでなくICUでの術後管理、緩和ケアを含めた周術期管理の教育を行っています。

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